そもそも国家資格って?

法律・会計に関する国家資格

 法律・会計に関する国家資格を紹介します。法律・会計に関する国家資格は、国家資格の資格の花形ともいえるもので、知名度の高い国家資格が多くなっています。かっこ内は、その国家資格の根拠となる法律です。

●弁護士(弁護士法)
弁護士は、法的手続における当事者の代理人、被告人の弁護人となって法定に立ったり、法律に関する事務などを行ったりする仕事です。もちろん、法律相談に乗ったりもします。弁護士法では、「基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする」仕事とされています。弁護士になるには、司法修習生の修習を終える必要があります。司法修習生になるには司法試験に合格する必要があり、司法試験を受けるには法科大学院課程を修了、または司法試験予備試験に合格する必要があります。また、司法試験は受験回数制限があり、司法試験資格を得てから5年度内に3回となっています。司法試験の合格率は、政府は法曹人口拡大計画で一時期50%近くになったこともありますが、現在は30%以下です。一見合格率が高そうに見えますが、大学院に通えない人は予備試験でふるい落とされるので、実際には狭き門です。

●公認会計士(公認会計士法)
 公認会計士は、企業の監査や会計、コンサルティングななどを行います。公認会計士は、公認会計士試験に合格した上で、2年以上の実務経験を必要とします。ですから、就職難の現在では、国家試験に合格しながらも公認会計士にはなれない、待機合格者が大勢います。公認会計士試験は難関試験のひとつですが、合格できても公認会計士となるのは難しいというのが現状です。

●行政書士(行政書士法)
 行政書士法は、行政に関する手続の円滑な実施、国民の利便に資することを目的として制定されています。行政書士は、官公署への提出書類の作成、そして提出を代理する仕事です。その他、紛争に関わらない契約上の書類の代理作成も行います。行政書士になるには、まず行政書士試験に合格した人、この人はもちろん行政書士になれます。その他、 弁護士、弁理士、公認会計士、税理士の有資格者も行政書士になることができます。行政書士試験の難易度は高めで、合格率は10%前後です。法的な手続きに関する資格なのですが、なぜか資格詐欺にあって騙されてしまう人も多くなっています。

●司法書士(司法書士法)
 司法書士は、登記または供託における手続の代行を行う仕事で、司法書士法は、「登記、供託及び訴訟等に関する手続の適正かつ円滑な実施に資し、もつて国民の権利の保護に寄与することを目的」として制定されています。司法書士になるには、司法書士試験に合格した者、もしくは裁判所事務官、裁判所書記官、法務事務官若しくは検事事務官として通算10年以上の経験を持つ人、法務大臣が必要な知識や能力があると認めた人となります。司法書士試験の難易度は高く、合格率は3%未満で推移しています。

●社会保険労務士(社会保険労務士法)
 社会保険労務士は、労働基準監督署や公共職業安定所、年金事務所などに提出する、社会保険などの申請や届出、異議申し立ての書類などを作成する仕事です。社会保険労務士法は、事業の健全な発達と労働者等の福祉の向上を目的に制定されている法律で、労働関連法令や社会保障法令に基づく、申請や報告などの書類の作成を代行する専門家になります。社会保険労務士になるには、社会保険労務士試験に合格する必要があり、社会保険労務士試験を受けるには受験資格が必要です。大学で一般教養科目の学習が終了している人、短大か高専を卒業した人、短大を除く大学で、62単位以上を修得済みの人、司法試験予備試験又は高等試験予備試験に合格している人、行政書士の有資格者などです。近年受験者数が増加している社会保険労務士試験ですが、合格率は10%未満です。